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 誰もが「高級車」ブランドとみとめるBMWが製造するMINIの製造・販売・保証に関する事実を紹介するサイトです。

 基本性能をおろそかにし、みてくればかり気にしてごてごてと飾りつけた自動車が氾濫しています。「自動車評論家」と称する太鼓持ちたちが雑誌やネット上に提灯記事を書き散らし、メーカーと一体になって自動車の購買者たちを騙しています。騙されたユーザーたちの無知にもとづく無責任なコメントもあふれています。

 自動車の品質は価格に見合ったものとは到底言えません。設計・製造の段階にはじまり、販売、整備、保証にいたるあらゆる段階で、目を覆いたくなるような拙劣さと不誠実さが満ち満ちているのです。

 ブランドの魔力に幻惑され、低品質の自動車を買うとどうなるか。すべて事実をもってお示しします。

​ 最近追加したページは、

​販売 > BMW商法1

​製造 > 設計思想と品質2

保証 > BMWによるリコール隠し 

 

2016年9月17日づけでビー・エム・ダブリュー株式会社からの「回答」がありましたので、それを受けて発した「照会 その3」を追加しました。

 

あらずもがなの前置き

 

高級車としてのドイツ車信仰

 

 「ユーザー」の手許に車がとどいた時から、「ユーザー」はさまざまの問題に直面することになります。「ユーザー」は、まとまった額を支払ったうえで、たいへんな難物をひきうけたことになるのです。事実関係を客観的にあきらかにするために、実際の例を示すこととします。ドイツの自動車製造会社であるBMW(ビーエムダブリュー)が製造し、いくつかの国に卸しているMINIという商標(ブランド)のつけられた車に関する事実です。

 大ブリテン連合王国には有名な自動車製造企業がいくつかありましたが、いずれも経営不振から他国の自動車製造企業によって買収されました。「ロールスロイス」という商標(ブランド)は(航空機エンジン製造部門は別会社となった上で)ドイツのBMWが入手しました。「ベントレー」ブランドはドイツの自動車会社のフォルクスワーゲンが、「ジャガー」ブランドと「ランドローバー」ブランドはインドのタタ自動車が、それぞれ買い取りました。「アストンマーチン」はアメリカ合州国のフォードを経て、現在は別の投資専門会社が所有しているようです。「ミニクーパー」で有名な「ミニ」も同様に経営不振から2000年にBMWの手にわたり、それまでFR(エンジン前置き・後輪駆動)方式に拘ってきた「高級車」メーカーのBMWが、FF(エンジン前置き・前輪駆動)の形式と「ミニ」のイメージを継承したまったく新しい車種を製造販売することになったのです。

 BMWは日本でもたいへん有名なドイツの自動車製造企業で、一応「高級車」のメーカーとされています。「高級車」といってももちろん厳密な定義などありませんし、『広辞苑』にも載っていません。日本で「高級車 prestige car 」というと、だいぶ前にいわれていた基準?では、500万円以上の車ということのようです。物価水準や経済状況がおおきく変化していますが、いまでもそのあたりとみてもよいでしょう。概ね一般的な勤労者の年収程度の額です。公務員の賃金改訂の際に、人事院や都道府県人事委員会などが民間企業労働者の一般的な所得水準を毎年調査しその平均額をもって公務員給与表を作成する、ということになっています(これは恣意的なデータ操作をともなう虚構であって、実際にどのようなデータをあつめてどのように計算しているのかはいっさい明らかではありません。誰も信用していないタテマエに過ぎないのですが)。名目上の給与総額とそこから税金(公務員でも税金は負担します)や社会保険料を差し引いた手取り額では3割以上は差がありますから40歳では手取額500万を下回りますが、概略で公務員賃金イコール一般的な勤労者の年収額程度をこえるのが「高級車」ということでしょう。つまり、ふつうの勤労者=一般庶民には縁のない車です(たまにふつうの勤労者でもこうした高級車を買う人がいますが、せいぜい!1000万円までのもので、それもかなり無理をしたうえでのことです。したがって小金持ち?の「高級車」ユーザーのように、車検などとらずに毎回3年以内に買い換えるとか、用途に応じて複数台を電動シャッターつきのガレージに並べるなどということはできません。住宅やレジャーの水準、職業上の地位、ありていにいえば社会的地位〔 prestige 〕とアンバランスなのです)。

 

 北京ではこの「高級車」の割合が非常に高いのです。正確に統計を調べたわけではありませんが、ざっと印象を述べると、日本の乗用車新車販売の4割を占めるにいたった軽自動車を、全部ドイツ製高級乗用車に置き換えると、北京の街頭風景になります(もっとも、北京では一般庶民は収入ならびに住宅事情それと車両登録抑制政策により4輪自動車を持てず充電式電動バイクや自転車に乗っているわけですから、いささか不正確な印象です)。希少なものは別として、北京の朝陽区の大使館街やCBD(「中心的業務地区」)などでよくみかけたものでいうと、高級車の頂点にいるのがポルシェとベントレーです。ポルシェはいまや「911カレラ」がメインではなく、とくに中国や西アジア産油国などではカイエンという巨大で高額なSUV(腰高の4ドアハッチバック型乗用車)やパナメーラというセダン型乗用車(ただしハッチバック)が中心のようです。ベントレーは本来はお金持ちが(時々)自分で運転するための車なのですが、ここでは運転手付きのリムジンということになっています。

 連合王国ではまさにロールスロイスが、運転手に運転させてオーナーは後席にふんぞり返って乗る車(「ショーファー・ドリブン」)です。中流階級以上のお金持ちは自分でそのロールスロイスを運転するわけにはいきません。万一そんなことをすると、雇われ運転手にしか見えないのです。自分で運転するとすれば、乗用車だったらベントレー、スポーツカーだったらアストンマーチン、SUVだったらランドローバーを使うようです(まったく縁がないので本当のところはよくわかりません。10年以上前にベストセラーになったダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』で、主人公の偽りの協力者にして実は敵方のボスである金持ち貴族が登場しますが、そのお屋敷のキー・ボックスにはこれら高級車の鍵が並んでいるのです)。伝統ある地主貴族が運転するのはアストンマーチンですが、それを買えない新興成金のブルジョア(資本家)が乗ったのが格下のジャガーということのようです。日本だとジャガーも「高級車」とみなされますが、連合王国だとはそうはみてはもらえないようです。ショーン・コネリーのジェームズ・ボンド(「007」)がもしアストンマーチンでなく、ジャガーで登場したりすると設定がおおきく変わってしまうのです。

 北京の話にもどりますが、横綱ポルシェとベントレーの次が大関メルセデス・ベンツとBMWのようです。ただし、日本と違うのはメルセデスでいうとCクラス、BMWでいうと3シリーズのような安物!ではなく、それ以上のセダンやSUVでなければなりません。AUDI(アウディ)は、日本ではイメージ宣伝がうまくいってベンツ・BMWとならぶ「ドイツ高級車御三家」の座に収まっていますが、中国ではそうはいかず以前の日欧同様いささか格が下がるようです。日本だとベンツのEクラス、BMWの5シリーズとならぶ、押しも押されもせぬ高級セダンであるアウディA6は政府機関の公用車にもなるようで、日本でいうと、セルシオ現在のレクサスLS以後最上級車の地位(センチュリーは別格)を譲った黒塗りのクラウンというところのようです。もちろん、一般庶民には無理をしても手の届かない高額車ではあるのですが。ここまでが一応「高級車」のようで、あとはその下に、現地生産が多いようですがフォルクスワーゲン(中心はパサート、現地名MAGOTAN)ならびにスェーデンのボルボなどが来るようです。そのほか、シトロエン、プジョー、フォードなど何でも走っていて、以下、トヨタ・日産・ホンダなどの日本車、韓国のヒュンダイ(現代)、キア(起亜)、中国の国産車となります。

 連合王国におけるジャガーや中国におけるアウディの例からもわかるとおり、地域によっては一緒くたに「高級車」ということになってはいても、すこし来歴をたどるといささか格下の、もともとは高級車とはされていなかった成り上り組があるわけで、じつをいうと、メルセデスベンツやBMWなどもこれに当たると考えたほうがよいのです。とりわけ日本におけるメルセデスベンツやBMWに対する評価はいささか高すぎるようです。ここ20年ほど、メルセデスの「コストダウン」方針に対する旧来の「ユーザー」(評論家?)からの非難がよく聞かれます。こうしたコメントの当否はさておきますが、古き良きメルセデスの「高級車」路線という評価が前提にあるから、現今のコストダウン非難が出てくるわけです。

 日本社会におけるドイツ信仰は、独仏戦争勝利(1871年)以来の傾向のようで、すくなくとも太平洋戦争での敗戦(日中戦争敗戦と同体ですが)までは法律制度、経済政策はもちろん、哲学、法学、経済学、医学など学問全般、音楽、文学などの芸術をふくむ文化全般における現象でした。現在もこれほどのアメリカ合州国一辺倒の趨勢にもかかわらず、いまだにドイツ崇拝は特定分野では盤石です。哲学思想でのドイツ哲学(カント、ヘーゲル)の優位はフランス現代思想の台頭によりずいぶん前に終わったようですが、バッハ、、モーツァルト、ベートーヴェンの「御三家」に、ハイドン、ブラームス、ブルックナーも加わり、クラシック音楽でのドイツ音楽の優位は続いています。演奏分野でのカラヤン、ベーム崇拝はすでに低調ですが、カメラやレンズでのライカやカール・ツァイス好みは消退しそうもありません。このドイツ信仰の最後の残滓が、ベンツ・BMW・アウディのドイツ製高級乗用車への偏愛です。

 とくに、BMWの場合、その製品はすぐれた運動性能をもっているという評価が定着しています。たんにスタイル(外観や内装)が優れているというのにとどまらず、高速道路での高速安定性やワインディング・ロードでの俊敏な車両の動きゆえに、購入者がみずから運転することにおおきな価値を見出しうる、そのような「高級車」とされているのです(「駆け抜ける歓び」)。

 

 入り口から延々、どうでもいい話からはいりましたが、このような日本におけるBMWに対する極度の高評価を念頭においたうえで、実際の車両をみてゆくことにしたいと思います。BMWが製造販売するミニ(MINI)ブランドのついた車両の件です。

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